TAISEI NO MADO

アラフォー主婦 あの手この手

髪色ひとつ

その鏡に映るのは、揺れ動く心情を隠すかのように少しうつむきながら

担当美容師とわずかに視線をそらす私。

 

美容院に行ってきた。

いつも通りカットとカラー。

 

今回は色のトーンをかなり落として、染めたてはほぼ真っ黒。

カットはちょっと切られすぎ。前髪も短いし顔がボーンと出ていて

あららら。。。 髪型中学生の顔おばさん。。。

 

それでも、私個人的には満足していた。

長年の経験から髪は意外と早く伸びるものと知っていたし(年頃なら泣いてたかも)

何よりも髪を黒くしたから。

 

ずっと黒髪素敵だなぁ、と思っていながら黒くすることが出来なかった。

勇気がなかったし、茶色くしている方が万人受けするとか

素敵な人だから似合うんだとか 

SNSで見る髪色とか 

なんとなく茶色かったら安心とか

理由ばかり探しては 無難 を常に選び続けてきたわけで。

 

カラーをした後の数日や数週間は満足しているけど、どこかからかソワソワしだす。

なんか違うねんな と。

 

もう何年ものその繰り返しにほとほと呆れ、今回は 黒髪の似合う女になりたい‼ の一心で黒くした。

 

で、仕上がったのは冒頭の 髪型中学生の顔おばさん。

 

内心は思いましたよ。あぁ いつも通りに無難にしとけば良かったかな。と

しかしそれはほんとに一瞬で、徐々に徐々に満足感が込み上げてきた。

 

私は身なりに興味が無いタイプではない。

興味もあるし、お金も普通にかけている。

なのにずっと満足いかない。

それは私の判断が間違えていたからだ。いや、間違えている訳ではないのかもしれない。

ただ、周りの反応や評価 他人の好み それが自分の価値観に絡みつき

自分の好きな物がわからなくなっている。いや、分かっているんだ。

 

なのに、ギリギリのところで他人の価値観を掴んでしまう。

そりゃぁ いつまで経っても自分に満足しない訳だ。

 

予想通り、新しい髪型は不評でしたよ。

近所の人にまで なんで?! と言われる始末。

だけど私の満足感に変わりはない。

 

人は一日に選択し決断するという思考を3万回以上するらしい。

その全てをコントロールをする事なんて出来ないけれど

無意識のうちに他人軸で決断してしまいがちなその思考を意識するだけでも、これからの人生に大きな影響が出るだろう。

1度の角度が変わるだけで、長い年月の先には大きな違いがあるように。

 

今回、髪を黒くした事で一つ憑き物がとれたかのようにすっきりとした自分がいる。

自分に絡まった他人の価値観を一つ一つほどいていき、今よりももっとすっきりと身軽になっていきたい。

なれるんだ、と確信した髪型中学生の顔おばさん でした。

 

たかが髪色されど髪色